離婚の手続きについて

裁判離婚−判決での強制的な離婚

裁判離婚とは,裁判所の判決により離婚をすることで,当事者の話し合いがまとまらない場合の最終的な手段です。

裁判離婚のメリット&デメリット

メリット

裁判には強制力があります。
 裁判離婚は裁判官が,判決という形で当事者の同意がなくても,離婚を認める(或いは認めない。)ものです。当事者の合意を前提としないので,事件が必ず決着します。

証拠に基づき法的に判断されます。
 話し合いによる解決は,急いでいる等の法的なこと以外の要素によって,解決が左右されますが,裁判は,証拠に基づく法律上の判断ですので,ほとんどの場合,公平な判断がされることが前提となります。


デメリット

費用がかかります。
 裁判離婚の場合は,弁護士に依頼せざるを得ず,裁判諸費用の他に,弁護士への報酬に費用がかかります。

時間がかかります。
 裁判は,いきなり申立が出来るものではなく,まずは調停を経てからではないと,申立ができないことになっています。そこで,調停から始まって,離婚訴訟が終結するまでには,かなりの時間がかかります。判決が出ても,控訴されるとまた高等裁判所で審理が続行されることにになり,場合によっては数年もかかることがあります。

離婚理由が明確でなければなりません。
 裁判離婚を起こすのには,法定の離婚事由が必要です。離婚理由が明確でないと離婚を求めても却下されてしまいます。

証拠が必要です。
 裁判は,「真実が勝つ」のではなくて,「証拠があるものが勝ち」ます。そういった意味では事実と違うことが認定される可能性もあります。そこで,裁判離婚が成立しても,自分の納得できる判決がでるとは限りません。


裁判離婚の手続き

提 訴
     
 弁護士に依頼して,訴状を裁判所に提出します。

訴状送達
     
 1〜2週間で,訴状が被告に送達されます。

期日の開催
     
 送達後,1ヶ月程度で期日が開催されます。
 弁護士に依頼しているときは,当事者は出頭が不要です。


証拠調べ
     
 証人尋問手続き等を行います。裁判の一番の山場と言えます。


和解の試み
     
 裁判官の判断により和解が試みられることがあります。
 和解が成立すると,和解調書が作られます。


判 決
     
和解が不調の場合には,裁判官が判決をします。

裁判離婚の注意点

 裁判は最終的な手段で,どうしても当事者の話し合いがまとまらない場合に申立をします。証拠と法律に基づいて裁判官に結論を出して貰うもので,弁護士の腕の見せ所です。裁判をきちんと戦うためには,依頼者と弁護士が息があってなければなりません。そのためには,弁護士と依頼者がコミュニケーションを密にすることが必要です。

■ 和解離婚について
 裁判が提起されても,判決までいかない場合の方が多いのが実情です。途中で「和解」という形で事件が終了するからです。調停でまとまらなかった事件でも,裁判を経て和解でまとまることが多いのです。それは,裁判では,法律に精通した裁判官が,判決をすることができる権限をバックに和解を仲介するからです。
 それゆえ,調停よりも裁判官の発言力が強く,当事者も「裁判官が言うのであれば」ということで,和解をすることが多いからです。
 和解が成立した場合の和解調書は,判決や調停調書と同じく,強制執行をすることができます。






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